ヴァリニャーノは凄い!けどカブラルも再評価

天正遣欧使節の番組作りのために、かなりヴァリニャーノの書いたものを勉強することになったのですが、やっぱり彼は未来から来た人、、、という感じです。日本で一応布教が「成功」したキーパーソンは何人もいる(史料にはあまり出てこない日本人修道士や同宿も)と思いますが、まぁヴァリニャーノの功績はやっぱり最大であろうかと思います。
キリスト教を弘めるための「適応主義」っていうのは、「人類みな平等」が原則の現代だと当たり前的なところがありますが、16世紀では、普通に暮らしていれば、なかなかたどり着けない発想です。
結局まだハリウッド版見ていませんが、『沈黙』の原作も、映画の方も、ヨーロッパ人宣教師が、ヨーロッパのキリスト教をそのまま植え付けようとした、という背景そのものが間違っていますので、そこはやっぱり一面的な認識だと思います。シンクレティズムになってしまったのは、受容した側だけの問題ではありませんので。
関心のある方は、ヴァリニャーノ『日本巡察記』を手に取っていただければ、当時のイエズス会が「異端」すれすれ、というかはっきり言って、ローマにとっては「完全に異端」なまでに、そして実際それがシンクレティズムをガンガン助長してしまうくらいに、日本の宗教文化に適合しようと苦心した様子が分かります。
ヴァリニャーノを検討する中で、カブラルが書いたものも色々読んだのですが、これはこれで、当時の神学を真剣に学んだ人なら、当前の発想という気がし、日本人研究者が感情むき出しに、カブラル批判するのも、世界や時代の思想を公平に見る視点に欠けている気がします。
ただカブラルの書翰は、自分の方針の自慢が多いので、ちょっと鼻につくっていうのはありますけど。
晩年にインド管区長になったってことは、イエズス会内部では評価されていたのだと思います。

色々批評を読んでいると、スコセッシ『沈黙』は、メインキャストの俳優さんたちの熱演と映像が素晴らしいらしく、それだけで、日本版をはるかに超えている、というのは分かりました。
日本版は、色々問題があるのですが、フェレイラ役の人が舞台演劇風に作りこんでやっているのに、主役のロドリゴが作りこんでなさすぎる、この不統一感が最大の違和感の理由なのかもしれない、と思う今日この頃です。
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by mihokodesousa1 | 2017-01-23 23:23 | 研究余録

南蛮貿易、大航海時代、マカオ、長崎など


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