堺の商人

引き続き、長崎豪商で朱印船貿易家として有名な末次平蔵の話です。
初代平蔵の父、末次興善は、博多商人として有名で、私もすっかりそうだと思い込んでいたのですが・・・。

とある史料から、この興善はもともと堺の人であった可能性が出てきました。堺でイエズス会の代理商人として、南蛮船で九州へと運ばれてくる荷物を、上方でさばく仕事をしていたようなのですが、そこで蓄財して博多へ、さらに長崎へと進出したようです。北九州では秋月にも支店を構えるなど、広く商売していたようですね。

現在、末次平蔵に関する歴史愛好家向けの本を執筆中で、いろいろな史料を再読中に見つけました。
であるとすれば、末次家が得意にした貿易への共同出資あっせん業務は、やはり日明貿易からのつながりが濃厚になってきますね。
もう少し日明貿易の共同出資の実態が分かると良いのですが。

明日は堺へ移動予定です☆堺市のタウンページに末次という苗字の人がいるか、調べてみたいと思います。
[PR]
by mihokodesousa1 | 2011-01-27 21:55 | 研究余録

とある旅行業界の業界紙に、私の本が取り上げていただけることになりました~016.gif
マイナーなマカオ研究やっていて良かったと思う瞬間でした。
しかも本を読んだ読者の方が、「これは!」と思って取材してくださるのだそうです。
あんな高値の本を宣伝していただくなんて、申し訳ないです072.gif
しかも著者の頭脳レベルが低くて、難解な学術書に仕上がっておらず、かといって一般向けでもない、中途半端な内容です・・・。
あんまり物語性のない、南蛮貿易商品と価格を羅列した3章は、実はもっとも引用していただいてる論文だと思います。ただし初出に間違いが多いので、できれば本の3章の方を引用していただきたいです。
個人的には8章が一番お気に入りです。
8章の主人公は、末次平蔵の敵役、長崎奉行竹中重義です。

末次平蔵は、最近まで朱印船貿易家としてはチャヤやアラキなんかよりはずっとマイナーでしたが、近年出た飯嶋和一『黄金旅風』で一躍有名になってしまいました。
修士論文の時から平蔵を追っている私としては、贔屓にしていた売れない俳優が、あっという間にスターになってしまったような一抹の寂しさが・・・。
でも『黄金旅風』は、あの時代の長崎がとってもよく描かれている小説だと思います。飯嶋和一の作品は、数年に1冊しか出ないだけあって、すごく勉強して書いてるなと感じます。
島原・天草一揆を描いた『出星前夜』も素晴らしいと思います。小説なのに読了に1週間かかってしまいました。
[PR]
by mihokodesousa1 | 2011-01-13 21:06

研究分担者として参加している九州大の中島楽章さんの科研で、国際ワークショップを開催いたします。
私の出番もチョビっとだけあります。実は当日よりも、翌日のエクスカーションの方を楽しみにしていたりするのですが・・・。

国際ワークショップ「16~17世紀の東アジア海域:新たな史料と視野から」
International Workshop 'Maritime East Asia in the 16th and 17th Centuries:New Sources and Perspectives

日時:2011年1月29日(土)
会場:堺市博物館(大阪府堺市)
主催:海域アジア史研究会・科学研究費補助金(基盤研究B)「西欧・中国・日本史料による16・17世紀東アジア海域の総合的研究」

プログラム(敬称略):
10:00-12:00 堺市博物館展示見学
 特別展示:世界図屏風・日本図屏風(17世紀)など
12:00-13:00 昼食(カフェレストランもずの)
13:00-13:10 趣旨説明 中島楽章(九州大学)Nakajima Gakusho,Kyushu University
13:10-13:50 報告1:中島楽章(九州大学)「明代朝貢貿易制度の構造と変容」
‘Structure and Transformation of the Ming Tributary Trade system’Nakajima Gakusho, Kyushu University
13:50-14:30 報告2:山崎岳(京都大学)「16世紀における嶺南・海南・安南・日本の海を通じた相互関係」
‘The Maritime Interactions among Lingnan, Hainan, Annan and Japan in the 16th Century’Yamazaki Takeshi, Kyoto University
14:40-15:30 報告3:ルシオ・デ・ソウザ(エヴォラ大学・東京大学)「ポルトガル商人によるアジア人奴隷貿易―アメリカとヨーロッパにおける中国人・日本人・朝鮮人奴隷を中心に」
‘The Asian Slave Trade by Portuguese Merchants-focusing on Chinese, Japanese, Korean slaves in America and Europe’Lucio de Sousa, University of Evora/ University of Tokyo
15:30-16:20 報告4:ハリエット・T・ズルンドファー(ライデン大学)「1500-1630年の中国と東アジア海域史をめぐる近年の歴史叙述―欧文著作における最近の動向」
‘Recent Historical Writing about China and East Asian Maritime History in the Period 1500-1630: Current Trends in Western language Publications’Harriet T. Zurndorfer, Leiden University
16:30-16:45 コメント1:伊川健二(大阪大学) 
16:45-17:00 コメント2:岡美穂子(東京大学)
17:00-17:15 コメント3:八百啓介(北九州市立大学)
17:15-18:00 総合討論

◇報告・質疑応答は原則として英語で行います。ただし会場からの質疑応答については、必要に応じて通訳を行います。
◇参加者は堺市博物館の入館料(100円)が必要となります。
◇堺市博物館へのアクセス
 大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内
 JR阪和線百舌鳥駅そば
 http://www.city.sakai.lg.jp/hakubutu/map.html#MASTHEAD
[PR]
by mihokodesousa1 | 2011-01-13 20:37

イベリア出張から帰って、頭の中が日本へなかなか戻らないままに、今年3月刊行の『イエズス会日本書翰集』3巻の再校校正にかかりきりになり、一応年末に作業を終えました。
そして昨日、ユーラシア科研での研究報告だったので、お正月も研究モードをオフにできないまま、オン/オフ切り替えが得意な私としては、若干キショクノワルイ年明けを迎えました。

昨日、報告は無事に終わったので、かなり緊張が緩みました。今回は自分の守備範囲を超えて、20世紀までのマカエンセ(ポルトガル系マカオ人)の経済活動の報告をしましたが、なかなかの手ごたえをえました。
でも中国近代史があまり勉強できていなくて、誤認識&誤記があったことを、後で指摘いただきました。
これが付け焼刃の怖いところですね・・・。

マカエンセの経済活動自体にはかなり興味を持っていただけましたが、全体議論が商売の構造に集中し、仲買人の役割や投資などの話になり、南蛮貿易のなかでのそういう話は出来るのですが、もっと後の時代のマカエンセの清朝の交易システムのなかでの、商売仕法などはまだよく分かっていなくて、あまり議論に参加できなかったことが残念です。
一応、南蛮貿易の出資構造は、11月に出た本の中で2章分使って書いております。

本の売れ行きはそこそこ良いようで、東大出版会のHPでは、早くも「在庫僅少」になっております。これは本当に購入してくださった方が多くてこうなってるいるのか、あまりにも売れないために出版会が「釣り」で書いているのか分かりません・・・。
売れても印税が入るわけではないのですが、できるだけ多くの方に読んでいただけたらいいなぁと思っております。

マカエンセの報告が好評だったので、このままアジアの土着ポルトガル系のコミュニティの研究をもっと進めたいのですが、今年は末次平蔵を主人公にした17世紀初頭の東アジアの海の話を本にしなければならないので、しばらく細々とサブ的に研究していこうと思っています。

今年前半は、3月に貨幣博物館での講演、5月に東方学会の「東南アジア交易史!」のパネルでの報告と、比較的ゆるやかな活動予定です。
中国での会議にもひとつ呼んでいただいてますが、これは本当は昨年にやるといっていたもので、今年3月あたりに仕切り直しになったのですが、その後情報も送られてきてないし、本当にあるのかな~という感じです。
中国は動き出すと早いですが、何かと事前交渉に時間がかかるようですね。
[PR]
by mihokodesousa1 | 2011-01-10 00:05

南蛮貿易、大航海時代、マカオ、長崎など