東方学会で報告して以来、史料の読み込みに集中してきた、アユタヤのポルトガル人投資貿易の論文が、ようやく出来上がり間近になりました。
今回はテーマが18世紀のアユタヤだったこと、タイ語が読めないことで、かなり苦労しました。
いくつかの史料には、ローマ字でタイの干支暦が書かれていて、この解読が大変でした。タイ人の研究者の知人に聞いても、「よく分からない」と言われてしまい。
でも試行錯誤の結果、たぶんこれでいいのだろう、という西暦変換ができました。合っているかどうか確証はないのですが・・・。これは東方学会の方で、英訳してくれるそうなので、少し広範囲な普及が見込めます。

そんなこんなしているうちに、以前このブログでもお知らせしていた、いろは丸とロウレイロの小論が『日本歴史』6月号で掲載されました。
「ポルトガル領事のみた幕末長崎―大洲藩船いろは丸のポルトガル語売買契約書を手がかりに―」。

最近は、原稿用紙30枚程度の小論(雑文)執筆が増えていて、ほぼ毎月全然違うテーマで書いています。
この夏は、カクレキリシタン関係の論文を2本執筆予定。これも初めての取り組みですが、6月に外海でオーラルヒストリーの調査をしてきたので、モチベーションは上昇中。
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# by mihokodesousa1 | 2011-07-20 21:59

大阪外国語大学(大阪大学外国語学部)の同窓会である咲耶会で、教員や卒業生の著作を対象として、毎年選ばれる「文人倶楽部賞」で、大賞をいただきました☆
で、昨日の恵比寿ビアステーションで開催された同窓会に出席し、表彰を受けてきました。

同窓会は意外なことにも、大学を卒業して間もない若者が大半で、最近の音楽が大音量で流れ、踊っている人もいるという、なんだか私の普段の地味~な生活とは、かけはなれた雰囲気・・・。でも確かに私も外大生だった頃は、学内のパーティーなんかでもしっかり踊っていたのを思い出しました。

以前東京支部会の講演でお会いした、ベテランの方々とお話しているほうが馴染む、というのは若さが足らないのかもしれません・・・。

どうやら私の世代~50代までの人は、大変少ないように見受けました。みなさん、仕事や育児が大変な世代で、同窓会にはちょっと縁遠いのかもしれませんね。
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# by mihokodesousa1 | 2011-06-19 16:40

書評会

北海道大学の松浦正孝先生のゼミで7月5日に『商人と宣教師』の書評会を開催していただけるそうです。
北大に留学中の澳門からの留学生が評者です。
この本は、日本史の部分よりもマカオ史の部分が、比較的新しい試みなので、澳門の方にどう評されるのか、楽しみです。
私もお招きいただいたので、初夏の札幌へちょっと行って参りたいと思います。
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# by mihokodesousa1 | 2011-06-09 21:07

たまたま、今の日本の状況と、250年前のリスボン大地震後のポルトガルを比較して、日本ももうポルトガルのように復活できないのではと言っている記事を見つけました。

記事はこちら

なるほどと思う面もありつつ、日本とポルトガルで決定的に違うはずの歴史と国民性を、ここでインタビューされている研究者がまったく言及していないのが気になりました。

大航海時代のリスボンはヨーロッパ外の商品がまず最初に荷降ろしされる港として栄えましたが、国自体が、イメージされているように大繁栄したわけではありません。
むしろ優秀な人材や資本が海外へ流出してしまったので、16世紀以降衰退がはじまり、17世紀以降は完全に斜陽に陥ったといえます。
地震が起こった18世紀中頃は、日本とは比べ物にならないほどの、社会的停滞期でした。ただ日本と違うのは、その後、ポンバル侯爵という偉大な宰相が政治改革を含め、社会変革を推進し、その後ナポレオン軍の侵攻を受けつつも、高い文化レベルの国風を20世紀初頭まで維持していたということです。
ポルトガルは、地震のあと、そのまま今の経済危機につながるような停滞に陥ったわけではなく、むしろいったんは復活したといえるはずです。
「ポルトガル人がすっかりおとなしくなってしまったのは地震のせい」などと想像の行き過ぎた記述をしているのは、インタビューに答えている人ではなくて、記者の思い込みだと信じたいですが、ポルトガルでは20世紀中葉から1974年まで独裁政権が支配し、秘密警察が跋扈し、隣人が隣人を告発しあう社会が半世紀近く続いたことが、今の「おとなしい」ポルトガル人像を作ったことは明白です。
この「おとなしい」の裏には、「目立つ人間を徹底的につぶす」社会的心理があると、私は思っています。旅行者のほとんどは、ポルトガル人を純朴な人々と感じるようですが、少なくともその国の歴史や社会を研究している研究者は、もっと社会の深層を読み取る必要があるのではないでしょうか。

ちなみに現在のポルトガルの経済危機は、独裁政権時代から存在したニューブルジョワジー層が、自らの利益だけを追求し、経済循環をより良くするための、何の努力もしてこなかったことが原因だと思っています。
ポルトガルの経済危機は、産業が乏しいこともありますが、独裁政権時代から引きずっている社会的特性が大きな要因のひとつですから、日本よりも立ち直るのは難しいのではないかと、個人的には思っています。EUの資金援助が出れば、またそこに依存して、自分たちで立て直す手段の模索も怠ることでしょう。

そんな中でも、首相ソクラテスは、日本の現総理大臣よりも、ずっと有能で勇敢だと感じます。でももし私が首相を任命できるなら、レアル・マドリッドの監督モウリーニョを推薦したい!
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# by mihokodesousa1 | 2011-05-02 00:18

5月のシンポジウム

久しぶりの更新です。といっても宣伝です。
震災以来、かなり内向きな生活をしています。クリエイティブな力が湧いてこないのです。

5月の東方学会のシンポジウムで報告いたします。英語のセッションですが、翌日立教大学で、同じ内容の会議を日本語でします。
パネル参加者は、日本のアジア史を牽引している有名どころなので、同席するのは恐縮・・・。
震災の後、なかなか頭が元に戻らないので、とりあえず報告はあまり新しいものではなく、今まで何度か国際学会で報告してきた「なげがね」の話です。

立教大学アジア地域研究所ホームページ


第56回国際東方学者会議

東南アジア港市国家論 (Port States in Southeast Asia)

Chairperson: HIROSUE Masashi 弘末雅士, Professor at Rikkyo University

10:30-10:45 Introductory Remarks by HIROSUE Masashi
10:45-11:45 Dhiravat NA POMBEJRA (Thailand): Osoet Revisited: Women and Trading
         Networks in Mid-Seventeenth Century Ayutthaya (オスト再考――17世
         紀中葉のアユタヤにおける女性と交易ネットワーク) (in English)
lunch time 13:00-13:40
ŌTA Atsushi 太田淳 (Japan): Disconnection and Redirection: Port and Rural Society
          in Banten and Batavia, c. 1740-1800 (流動する関係――1740-1800年
         頃のバンテンとバタヴィアにおける港と地方社会) (in English)
13:40-14:20 OKA Mihoko 岡美穂子 (Japan): Changes in Trade Investments in Maritime
          Asia from the 16th to 17th Centuries (16世紀~17世紀の海域アジアに
          おける貿易投資の変遷) (in English)
14:20-15:00 TOMITA Aki 冨田暁 (Japan): West Borneo in the “Age of Development”
          and Its Port States: The Founding of Pontianak and Maritime Southeast
          Asia in the Late Early Modern Era (「開発の時代」の西ボルネオと港市
          国家――ポンティアナックの成立と近世後期東南アジア海域世界) (in
          English)
coffee break
15:15-15:35 Comment by SHIMADA Ryūto 島田竜登, Associate Professor at Seinan
         Gakuin University
15:35-15:55 Comment by SUZUKI Tsuneyuki 鈴木恒之, Professor at Tokyo Woman’s
         Christian University
16:00-17:00 Discussion
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# by mihokodesousa1 | 2011-04-21 16:49

南蛮貿易、大航海時代、マカオ、長崎など