女性研究者の人生設計

すでに何度か書いてきたことですが、ちょっと思うところがあって、またこのテーマで書きます。
私にとって、学究の道を目指し始めた時に、もっとも身近にいらしたのが武田佐知子先生と脇田晴子先生だったので、研究者として生きることと、子供を育てることは、当たり前に両立できることだと思っていました。お二人とも、御伴侶は、今でいう「イクメン」だったと思いますが。女性が研究者を目指す場合、いつ結婚して、いつ子供を産めるの?という疑問からこのブログにたどり着く若い方が、わりと多いようなので、自分の経験を書いておきたいと思います。理系の場合は、研究生活も就職状況も文系とはかなり異なるので、文系の場合を対象に書いてみます。
まず、「頑張っても研究職につけないかもしれない」という将来への不安が根本にあって、すでに定収入のある会社員の方などと結婚する女子大学院生を何人か見てきましたが、その女性が本気で研究職を目指して、バリバリと研究活動に励む場合は、離婚で終わるケースが多いです。逆に、普通の家庭を築くことに重心を置き、周囲が必至で博士論文へ向けての研究活動をしているのを傍目に、子供を産んでしまった場合は、研究者として身を立てることができている例は極わずかになります。不可能ではありませんが、かなり険しい道です。ただ、自分の遺伝子を残し、明日の食糧の心配をしなくて良い暮らしは、生物としては「成功」しているので、それほど悲観する必要はありません。しかし、相手が会社員であれば、育児の負担は、ほぼワンオペになります。自分の実家の至近に住んで、育児はほぼ丸投げ、というのが可能ならば、それは防げるかもしれません。
現在、文系の助教や講師などの、博士号取得まもない、あるいは未満の人が就くことができるポストは激減しています。あっても任期付きがほとんどで、任期終了後に、無職あるいは非常勤講師になる例もたくさん見てきました。だから、伴侶がどういう人であれ、本当に研究を諦めたくないのであれば、出産前に博士号を取得、それを本にすることは、やっておくべきでしょう。目標は35歳くらいまでに。40歳前後になると、いったん就職した人が、より良い職場を求めて転職市場に出てくるので、教職経験のない人には、ある程度不利になります。なので非常勤講師の口があれば、必ず受けておきましょう。はっきり言って、子供が生まれたら、数年間は本を書く気力・体力が完全に奪われます。しかし単著さえ出していれば、子育てしながら無職、非常勤講師でも、ポストに就ける可能性は、単著のないオーバードクターの男性よりも、かなりあると言えます。今自分の周囲にいる、子持ち女性研究者を見ても、見た目は嫋やかでも、実は「猛者」が大半なので、甘い考えでは生き残っていけない世界なんだなぁと思う今日この頃です。



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by mihokodesousa1 | 2018-01-30 21:50

南蛮貿易、大航海時代、マカオ、長崎など


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